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「アイドルじゃないんですよ」 ピーベリー『キャベツ白書~春編~』

 

本日発売の、ピーベリー『キャベツ白書~春編~』が意外と好調らしい。

 

 

アイドルの、特にハロプロのホームグラウンドであるタワレコとはいえ、今を輝くアーティストに混じっての3位は立派。

メジャー昇格と聞いていたのに、目立った販促の話が聞こえて来なかったので意外です。

 

 

■ ピーベリーは「アイドル」じゃない

ハロプロの活動ではなく、プロジェクト「SATOYAMAmovement」の企画の一環なので、まあそんなものかと思っていたのですが、とはいえインディーズ曲をメジャーに昇格して売り出すと聞いたので、おそらく、

 スマイレージのリーダー・和田彩花とモー娘。センター・鞘師里保の強力タッグ!」

みたいなベタな触れ込みの宣伝広告でも出てくるものだと思っていたら、思いの外 控え目な販促ばかりで、テレビ・ラジオのCMもただ曲を流すだけの思い切りお上品な雰囲気で、ちょっと肩透かしを食ったような気持ちでいました。

が、ラジオでのインタビューを聴いて合点がいきます。

 

和田: スマイレージではアイドルだけど、ピーベリーではアイドルじゃないんですよ。

聞き手: アーティスト?

和田: はい。一のアーティストとして歌わせていただくので、そういう部分ではしっかり歌わなきゃいけないし、スマイレージだと、もうとにかく元気でワーワーワーみたいな、元気でキャピキャピした感じの曲が多かったりするけど、ピーベリーだと、すごい歌い方も変えないといけないし

聞き手: へぇ~

和田: あと、歌詞の意味も伝えて歌う、という歌い方なので苦戦しました。レコーディングの時とかは。

聞き手: まったく違いますもんね。

(ラジオ日本『ラジカントロプス2.0』 2013.02.25 O.A.)

 

明らかにつんくプロデュースとは違う歌い方、つんく楽曲では出てこない世界観。プロデュース側の思いとして、単に人気のアイドルを起用するのではなく、あくまで歌手として彼女たちが招聘されており、その意図が本人たちにも伝わっているであろうことが分かります。

番組前半は、スマイレージでのアイドル活動についてメンバー同士の微笑ましいエピソードが語られていたが、上のくだりから話題がピーベリーに変わると、内容は一転。歌い方や伝え方など音楽の話が続きます。

 

 

■「歌手・松浦亜弥」を産めなかった過去

かつてアップフロントは、「THEアイドル・あやや」を「歌手・松浦亜弥」としてステップアップさせられなかった忸怩たる思いがあります。

HEY!HEY!HEY!』とは一線を画するコンセプトの硬派な音楽番組である『僕らの音楽』に出演した松浦亜弥は、自らを「歌手です」と名乗る。けれど、松浦亜弥の肩にかけられたアイドルのデフォルトイメージを払拭することは出来なかったんですよね。

大手音楽芸能事務所に所属する「歌手」として、その才能を伸ばしたいという思いと、ハロプロで唯一好調をキープしているアイドルとしての活躍に期待される狭間のジレンマ。歌手として、サッカー日本代表戦の国歌斉唱の大役を務めながら、映画『スケバン刑事』の麻宮サキという別の世界の大役を担うことは、今になってみれば、いったい誰が幸せだったんだろうと考えさせられます。

だって、舞台から離れた今になって、歌が一番上手い女性歌手として語られるなんて、とても切ないお話。。 

勝手にニュース : 竹内まりや 椎名林檎 「20代の歌手で一番歌が上手いのは松浦亜弥」 勝手にニュース : 竹内まりや 椎名林檎 「20代の歌手で一番歌が上手いのは松浦亜弥」

昨日のいいともでマーティが松浦あややを大絶賛して讃えてたけどさ

 

そういった過去を踏まえると、アイドル活動とは別に「歌手」「アーティスト」という役目を与えるにあたり、一般からの見られ方の区別がつけるという意味で、異なるユニット名をつけるのは効果的かも。ビートたけし北野武とか、ふかわりょうとROCKETMANとか、友近と水谷千重子(笑)みたいな。

 

 

 

でもまあ、そもそも別のユニットというよりも別の「お財布」が存在した結果によるもの。というか、もっと露骨に言えば別の「スポンサー」がついた活動であるので、アップフロント単体の戦略とは違うレイヤーで考えられた棲み分けなのかなとは思いますけれどもね。

 

ただ確かに、あみんとかキロロみたいな、ちょっと浮世離れしたガールズデュオのイメージはあるので、理由はどうあれ「アイドルじゃない」路線を用意する試みは面白いと思います。

いずれ、Hello! Project と SATOYAMA movement との間で奪い合う、骨肉の争いが生まれたりして。。