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(下書き)℃-ute『悲しき雨降り』MV初披露

 

はてなダイアリーに正式upしました。

℃-ute 『悲しき雨降り』(22nd. 2013.07.10Release)レビュー - テレ娘。

http://d.hatena.ne.jp/mochamacha/20130620/p1

 

 

本日公開の「ハロ!ステ #20」にて、℃-uteの22枚目のシングル『悲しき雨降り』のミュージックビデオが披露されました。

 

これまでにも、わたしたちは雨を背景にしたMVをいくつか見ています。

例えば、モーニング娘。で言えば、『AS FOR ONE DAY』や『泣いちゃうかも』が該当します。どちらも映像としてはキレイだったのだけど、ただただ悲しい映像だったことしか、実は印象に無かったりします。だから、今回の℃-uteのNEWシングルのタイトル『悲しき雨降り』を聞いた時には、「またマイナー調の歌か、可哀想に……」というのが正直な印象でした。

 

が、しかし、今作はちょっと様子が違う。

 

見た瞬間にパーッと世界観への感情が湧いてきたので、そのフレッシュな第一感をそのまま文字に起こしておきたい。

 


Juice=Juice池袋イベント&6月の生タマゴShow&℃-ute新曲MV公開 MC:徳永千奈美【ハロ!ステ#20】

 

舞台は、どうやら写真撮影を行うスタジオ。そこで撮られている 【失恋のさなかのアイドル】 という設定らしい。

撮影用のスクリーンの前で、いかにもアイドルらしいパステルカラーの爽やかな衣装に身を包む主人公たち。アイドルは常に笑顔でいるのがお仕事。何があろうと笑顔は変わらない。が、実は違う。心に悲しい雨が降っている時ほど、おそらくアイドルというお仕事をしている女の子はつとめて明るく振る舞う。ここがこのMVのミソになっている。

 

格闘家が試合の中で関節技から抜け出そうと思った時、もがけばもがくほどかけられた技は締まっていく。同様に、アイドルが笑顔になればなるほど、同時に描かれる心の中の雨降りの様子との対比は高まる。すなわち、それがジワジワと悲しさを増幅させていくのだ。

 

今の℃-uteといえば、ハロプロの中でも歌とダンスのパフォーマンス力が高いグループとして名前が上がる存在となった。ここ最近のMVはそれが映えるように曲調や曲のテーマとは関係なく、なるべく「℃-uteのパフォーマンスの良さを見せる」ような映像作りを心がけてきた。

今作はその℃-uteのパフォーマンスを逆手に取っている。

MVのテーマを曲のテーマに合わせて「悲しさを出す」ことに注力し、そのための「大いなるフリ」として℃-uteの面々が爽やかすぎるほどの笑顔でパステルカラーの衣装をとっかえひっかえしながら溌溂と歌い踊るのである。雨が降る心情を表す画とクロスしながら、悲しい感情を語るサビに向かうといよいよダンスはキレを増し、ポップな衣装がより速く切り替わる。どしゃ降りの心の中の雨を振り払うように懸命に歌い踊る。

けれども、心の雨には傘をさすことが出来ないので、着替え用が笑おうが、どんなにもがいてもずぶ濡れなのだ。そこに失恋のつらさを表現している。なんともまあ、アイドルというお仕事の残酷な一面が垣間見られる仕掛けになっている。

 

そうして最後にモノトーンのちょっと大人を思わせる衣装に切り替わって、主人公たちは撮影のお仕事を終える。まるで、「こうしてわたしは大人になりました」と無言で語っているかのようである。

主人公たちの心の雨が洗い流されたのか定かではないが、今の℃-uteがもし失恋していたら、きっとこんな風に夢中で仕事にのめり込んでやり過ごすのであろうと想像してしまう。

 

気がつけば5人とも、「キッズ」の面影を感じさせない大人の女性の顔になっていた。

℃-uteのココロとカラダの成長を証明する快心作である。