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『モー娘・道重に「終身名誉リーダー」~』 称号が与えられることで考えるべきこと

 

こんなニュースを見かけたのですが、、、

 

モー娘・道重に「終身名誉リーダー」就任求める声 | 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社

 

うーん、どうでしょう。

 

道重さんだけを称えること

ツイートなんかでも、誰かの良さを伝えたいあまり「○○より上手い」「一番すごい」みたいな表現を使う人は沢山見かけますが、比較級・最上級で褒めた時(特にテキストで伝える場合)、本人が意図していなくても必ず「褒め」と同時に比較された対象への「貶し」が勝手に伝わっていってしまいます。

過去を振り返って、無から有を作った中澤さんも、世間から解散をささやかれ続けた吉澤さんも、世間から無いものとされる中で娘。の新しい価値を見出した高橋さんも、彼女たちが居なければ今のモーニング娘。は決して存在しません。逆に、9期加入以降、グループの「死」を覚悟せずに活動できたリーダーが7代目8代目でした。今ってホント幸せな元禄時代です。

そういった背景を考慮せず、とりわけ「女子×縦社会」という厳しいグループの中にあって、道重さんだけに名誉が与えられてしまうのは、誰よりもご本人も辛いのではないですかね。。

参考:女神のように称えられた澤穂希

名誉で思い出される例として「金メダル→国民栄誉賞」がありますが、授与の際には必ず批判が起こります。新聞やテレビの頃から言われて来ましたが、ネット社会になって更に顕著になってきました。みんな疑問を感じてるんですよね。

2011年になでしこジャパンがW杯優勝して、時代が時代(震災直後)だったので即座に国民栄誉賞が与えられたわけですが、当時のキャプテンの澤穂希さんは連日大忙しでインタビューが続く中、語り続けたのは過去30年を支えたOGへの感謝の言葉でした。そうでもしなきゃいたたまれない気持ちであったに違いありません。

 

後に残される不幸

名誉ある称号というと、「黄金期」に近いものを感じるのですが、そうだとしたら今後を考えてとても恐ろしいことだなあと思います。

みんなが「黄金期」と呼んだことでモーニング娘。およびハロープロジェクトと応援するすべての人たちにもたらされたのは、その後10年の「不遇な時代」です。世間から見た時に比較をされ続けた後輩たちの苦労は、今振り返れば不幸としか言いようがないです。

それを踏まえて今後を考えた時、先日のラジオでサブリーダーのフクちゃんが語った言葉を思い出して、キリキリと心が痛む思いです。

ーー9期加入以降のモーニング娘。の歴史を振り返る企画で、田中れいな卒業の際に決まったサブリーダー就任について

 

石田「二人はサブリーダーになってどうでした?」

譜久村「聖は、正直もう…地獄だったかも」

飯窪「え……?」

譜久村「物事をポジティブに考えることが出来なくて、何で出来ないんだろうとか、こんなことしなけりゃ良かったとかネガティブモードに入っていっちゃったりとか、人と比べちゃったりして。で、結局道重さんとも同じように話せなくなっちゃって、立場を気にして、変な自分が居たというか沈んでた時期だったんですけど……」

 

MBSラジオ『Our Music History ~音楽と私たち~モーニング娘。'14スペシャル』(2014.10.08放送)

口汚い表現を嫌うフクちゃんの口から発せられた「地獄」という言葉。

リーダーに追いつかなければいけないのに、自分の出来ない部分ばかり見えてしまい苛立つ日々。リーダーとどう接して良いかさえ分からなくなった上、おそらくブログのコメントや握手会では「次期リーダーがんばって」とじゃんじゃん遠慮のない発破をかけられたことは想像に難くありません。

サブリーダー就任後、新曲の準備と『ごがくゆう』出演の掛け持ちをこなし、舞台が終わればハロコンとアツい新曲プロモーションをこなし、ただでさえ体力的な心配をファンをしていましたが、そんな中、わたしたちに悟られないようにそういった苛立ちと戦っていたのですよね。

もしもフクちゃんが道重さん卒業後そのままリーダーになったとして、「終身名誉リーダーに負けずに頑張って」なんてお声がかかったら、彼女はどうなってしまうでしょうね。

もしも来週リリースの新曲がオリコン1位をキープして、次のシングルが取りこぼしてしまったら……もしも道重ファンがコンサート現場から居なくなって動員数が落ちたら……。前のツアーと同じようなセトリが用意されただけで不満が漏れる舌の肥えたファンが集まる現場で、おそらくフクちゃんは針のむしろのような気持ちですべて背負い込むに違いありません。

何事も、悪いことが起きて何かが崩れると次々ガラガラと連鎖していき、再び戻すには崩れた数倍の時間を要します。それが「黄金期」を引き継いたモーニング娘。の不遇な時代でした。ですから、少なくとも以降3代ぐらいは批判の矢面に立ち続けるリーダーが生まれるのではないでしょうか。

 

 

つまり、グループ存続中に特定の人物に名誉を与えても、生まれるのは「不幸」の比率のほうが圧倒的に高いんですよね(例えばもっと卑近なところで、ハロプロが公式に人気投票やらないことで救われてる部分ってたくさんあると思いません?)。

そもそも、名誉って、人やグループが無くなってから与えられるぐらいがちょうど良いと思います。国の勲章なんかも下位の方では亡くなった際に授与される場合が多いですし、これはハロプロに限らず世の常です。

 

でもね…。役職にこだわるようになったハロプロが、がっちりとアイドルビジネスで儲けようとしているのであれば、メンバーの不幸なんて何も考えず、客が比較して褒めたり貶したりしやすい状況を作るでしょうねぇ…なんて、ちょうど別件で心配していたところでした。おそらく道重卒業&ベリ活動停止後は大きく変わると思います。

 

困ったことにファンが井戸端で話していることが叶えば叶うほど、メンバーに辛い思いをさせる部分が出てくるので、特にSNSなど周りから見える場所では、どんな状況が理想なのか考えてから発言するべきでしょうね。自戒を込めて。

 

 

※最後に触れた今後大きく変わるという話は、内容が尻すぼみで具体性に欠くので、別のエントリーに続けたいと思います。